年末の『ケイコ 目を澄ませて』(2022年12月31日)からの流れで、久しぶりに阪本順治の『どついたるねん』(1989)を観た。この映画で流しのボクシングトレーナーだった原田芳雄が、時を経てケイコのジムの会長をやっていたらどうだったかなと不遜なことを思う。
ボクシング映画はたいていロードワークのシーンがあるので、自ずと街が描かれ、地域密着型になりやすいのかもしれない。『あしたのジョー』なんかが典型的だけど(映画じゃないけど)、『ケイコ 目を澄ませて』でも『どついたるねん』でも、ジムの建築空間がその地域を象徴し、社会的な属性を象徴して物語に奉仕する。