大室佑介さんの新作《Haus-012》(2023年竣工)を見学。『精選建築文集1 谷口吉郎・清家清・篠原一男』のトーク(2月26日)で、大室さんが谷口吉郎ファンであることを知ったからか、エントランスの作り方はどこか谷口自邸(1935年竣工)を思わせる。 今日の…

書物は基本的に大量生産の複製品だから(芸術作品よりも)安価で購入しやすい。しかしそれを自らの私的空間で所有すると、その物が内包する人間の個性や文化や歴史が日常にそこはかとなく感じられる(だから情報として必要であっても、嫌な本は所有したくな…

谷中のHAGISOで、伊部年彦展を観た(〜7/23)。2分割された会場の手前と奥とで、だいぶ作品の雰囲気が異なる。手前は西洋絵画のベースが感じられ、奥(上の写真)は民藝っぽさがある。作家は静岡出身で、芹沢銈介美術館も身近だったらしい。個人が内包する様…

アルカディア市ヶ谷で開かれた「大江新先生+石井翔大さんの出版を祝う会」に出席。大江新さんの『東京・再開発ガイド──街とつながるグラウンドレベルのデザイン』(学芸出版社)と、石井翔大さんの『恣意と必然の建築──大江宏の作品と思想』(鹿島出版会)…

関係者の方からいただいた新刊書。かなり難解そうなので、とりあえず紹介のみ。ディオゴ・セイシャス・ロペス『メランコリーと建築──アルド・ロッシ』(服部さおり・佐伯達也 訳、片桐悠自 監修、フリックスタジオ、2023年、原著2015年)。 メランコリーと建…

八束はじめさんによるオンラインレクチャー「汎計画学──「計画」の世界史」(世界建築史15講連続セミナー)を聴いた。八束さんがメタボリズムの再評価などを通して「現代に大きなヴィジョンを描くこと」(計画の意志)の必要性を認識していることは知ってい…

芸術や文化に触れたいとき、あるいは非日常感を味わいたいときに足を向けたくなる美術館。 初めて美術館を訪れる人は「どんな格好をすればいいかわからない」「美術館にドレスコードはあるの?」など、コーディネートに不安を感じることが多いようです。そこ…

昨日はその後、新宿シネマカリテで、ホン・サンス『小説家の映画』(2022)を観た。書けなくなった小説家がふとした偶然で、長年思い描いていた映画制作に取り組むことになる。この作品が、たとえば『画家の映画』や『音楽家の映画』ではなく『小説家の映画…

《粟津邸》(設計=原広司+アトリエφ、1972年竣工)の見学会に参加した。 住宅遺産トラスト:粟津邸 細長い長方形平面で、敷地の傾斜に沿って上部から下部に降りていく動線。外部に対して閉鎖的であり、平面中央を貫く中廊下がトップライトの光で満たされる…

Zライトの上に座るご先祖さま。

もう7〜8年使っているカメラ&レンズの接着剤が剝がれてきた。まだ使えそうだけど、ニコンでも他のメーカーでも一眼レフは縮小傾向のようなので(特に安価なモデル)、次はどうしたものか。

写真を撮りながら近所を散歩。この写真はノートリミングで、すこし左に傾いている。基本的になるべく垂直は合わせるようにしているのだけど(手持ちで撮影し、傾いている場合は撮影後に回転)、ある種の写真で垂直をとろうとすると、むしろ空間が消えてしま…

写真を撮りながら近所を散歩。カメラの広告なんかでよく、「この瞬間を永遠に」みたいなことが言われるけど、僕の場合、写真を撮っていて、「これがここにある」「ここがこうある」という空間への意識はあっても、「今この時に」という時間への意識はあまり…

川合健二の自邸「コルゲートハウス」(1966年)が宿泊施設になるという。一棟貸し素泊まりプラン15万円。 CORRUGATED HOUSE 以下、18年前に「コルゲートハウス」を取材し、編集部名義で書いた文章。約4000字。

知り合いに薦められてDVDを借り、パヴェウ・パヴリコフスキ『イーダ』(2013)を観た。シンプルなつくりで見応えがあると思う一方、もう1本くらい観てみないと信頼できる監督かどうか分からないという気もする。

『アイデア』402号「小さな本づくりがひらく──独立系出版社の営みと日本の出版流通の未来」特集の選書コーナーで、ツバメ出版流通の川人寧幸さんが『精選建築文集1 谷口吉郎・清家清・篠原一男』(出版長島)を紹介してくださった。力のこもった特集。 アイ…

駒場公園内の旧前田家本邸(設計=高橋貞太郎、1929年竣工)を見学。かなりひさしぶりに行ったけど、思いのほか印象深かった。和館ともども入場無料。

写真を撮りながら近所を散歩。以下、ネギ。

昨日はその後、豪雨のなか移動して、高田馬場のAlt_Mediumで、qp個展「花の絵」(〜6/14)を観た。 前回 https://richeamateur.hatenablog.jp/entry/20220617/1655391600 前々回 https://richeamateur.hatenablog.jp/entry/20200619/1592492400 qpさんの作品…

豪雨のなか、平河町のオフィスビル(設計=MMAAA、2023年竣工)を見学。上層と下層でボリュームを交差させたような格好。はたしてこれが都心のオフィスビルとして、経済性や機能性、敷地環境等の法的なことも含めた現実的な諸条件とどう折り合いが付けられて…

最近通っているところからの眺め。

昨日の横浜の写真。

神奈川近代文学館「生誕120年 没後60年 小津安二郎展」を観た(〜5/28)。このまえ(4月9日)横浜を訪れたときに行けず、結局最終日になってしまった。 本人の書いた文章をあまり読んだことがないせいもあるだろうけど、小津安二郎のキャラクターがどうも僕…

青山で打ち合わせ。その後、南青山のギャラリー5610で「Kazunari Hattori」展(〜5/31)、北青山の駐日ブラジル大使館で「LINA BO BARDI 展 ~ with Marcenaria Baraúna ~」展(〜5/25)をそれぞれ観た。

このまえ買った(4月10日)、富岡多恵子『回転木馬はとまらない』(中公文庫、1978年)からいくつか抜粋。 たいていのいいゲイジュツはひとにことばを与えないで奪いとるので、たとえばコルトレーンのレコードをきき終わると、だまってもう一度きくだけであ…

プライムビデオで、ザイダ・バリルート『TOVE/トーベ』(2020)を観た。ムーミンの作者トーベ・ヤンソンの伝記的映画だけど、どこまで信用してよいものか。戦争や政治、芸術や創作、両親との関係などをおざなりにし、現代受けしそうな色恋の部分を特別に見…

「死ぬ気でやれ」という言葉はあまりぴんとこない。どちらかというと「死なない気でやれ」というほうが学問や芸術にとっては本筋ではないかと思う。年をとって何歳になっても、自分には永遠の命があるつもりでそれに取り組むということ(人は案外簡単に死ん…

オタール・イオセリアーニ『唯一、ゲオルギア』(1994)を下高井戸シネマで観た。全3部で246分。音楽や映画などの文化的側面と20世紀の壮絶な政治的側面を混在させて描くところはこの監督らしい。ただ、全体が主に既成の映像で構成されているためもあってか…

写真を撮りながら近所を散歩。以下、写真4+2点。

縁あって、浅葉克己デザイン室(設計=アルド・ロッシ+モリス・アジミ、内装設計=内田繁+三橋いく代、1991年竣工)を見学。浅葉さんのキャラクターや暮らしぶりと響きあうチャーミングな建築。これだけの色やかたちや素材を組み合わせて品があるのはさす…