金沢の〈谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館〉でも今日から『精選建築文集1 谷口吉郎・清家清・篠原一男』が販売開始。金沢出身であり初の名誉市民でもある谷口吉郎の生家跡に建てられたミュージアムで、設計は長男の谷口吉生さん(2019年竣工)。ここを訪れる人を想像しながら本を作ったようなところもあるので、ひときわ感慨深い。
たぶんあまり大っぴらにされていないことではないかと思うのだけど、〈谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館〉は単に谷口家の所有地が市に寄贈されたというだけでなく、土地の寄贈を決めた谷口吉郎の遺志を受け、吉生さんが「隣接地を少しずつ買い足してきた」のだという(水野一郎「随筆にみる谷口吉郎の金沢──犀川、兼六園は造形の図書館」『北國文華』2019年冬号)。なんというノブレス・オブリージュ。