有吉弘行と夏目三久の結婚の報。ふたりが出会ったテレビ番組「マツコ&有吉の怒り新党」(2011-2017)は放送開始からずっと見続けていたし(2017年3月29日)、有吉の言動には当時から共感してきたので、むしろ身近な人の結婚(夫か妻のどちらかしか知らないことが多い)よりも感慨深い。作家や芸術家など僕にとって面識がなくても深く共感する人は古今東西それなりにいるけれど(死者が多い)、それらの人は創作物を介したもっと高尚なレベルでの共感というか、有吉の場合は現代のテレビタレントとして、高校や大学の友達のような世俗的なレベルでの共感なので(しかし高校や大学の友達のように現実の多面的かつ双方向的な他者ではなく、より抽象化された存在ゆえの想像的で純粋な共感)、結婚のような世俗的なできごとも心に響いてくるのだと思う(必ずしも単純な祝意だけではない複雑な感情)。
最近の記憶に残るところでは、上記の番組の後継である「マツコ&有吉 かりそめ天国」で、カルロス・ゴーンに対する日本のテレビメディアのパパラッチ的な取材姿勢に苦言を呈したこと、そしてその苦言の呈し方に、敬意にも近い共感を抱いた。しかしもっと些細な共感は同じ番組を見ていてしょっちゅうあり(他の番組はあまり見ない)、それらは些細であるぶん、余計に縁の深いものにも思われる。