藤森照信さんが特集された「情熱大陸」(毎日放送)を観た。相変わらずお元気そうでなにより。
番組でチラッと映った大分県・長湯温泉の《ラムネ温泉館》(2005年竣工)が懐かしい。竣工後まもなく、『ザ・藤森照信』(エクスナレッジ、2006年)の取材のために訪れたのだった。そこで女湯の標識を見て、なぜ割れた板を使っているのか不思議に思った。

しかし男湯の標識を見て、その謎が氷解した。

2つの標識は下の写真に小さく写っているけれど(正面の棟の左側が男湯、右側が女湯)、すこし離れて置かれ、2つの関係は察しづらくなっている(特に男湯の標識は男湯の入口脇にあるため、女の人の目に留まりづらい)。隣同士で並べればシンボルの意味もすぐ伝わるのに、それをしないのが藤森さんの品の良さだと思う。取材後にこの案内板についてご本人に伺ってみたところ、「みんなで面白がって作ったのに、あまり気づいてくれなくて寂しい」と言って笑っておられた。
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