スティーヴン・ソダーバーグ『コンテイジョン』(2011)をNetflixで観た。contagionとは伝染病のこと。パンデミックを描いた映画で話題になっているようだけど、作品としてはずいぶん平板に思えた。またこういう時期だから余計に感じるのかもしれないけど、一般市民による襲撃や強奪を描くのはどうなのか。この作品1本によってということはないにしても、無意識のうちに現実世界でその類の行為を誘発させたり、アメリカならば護身用として銃を所持しなければならない気分を促進させたりするのではないかという気がした。読んでいないけど、同じく話題になっているカミュの『ペスト』(1947)にも似たような描写はあるのだろうと思う。ただ、やはり映画は小説に比べてスペクタクル化/大衆化しやすく、そのことに無責任ではいられない。