号外『建築と日常の文章』が印刷所から到着。全56ページの薄い冊子だけど、A4サイズの大判の誌面に20万字近くの文字(一般的な書籍1〜2冊分程度)を詰め込んだ。判型にしろ文字組にしろ、文章をもっとゆったりと読みやすくすることもできなくはなかったものの、経費の都合や去年の『建築と日常の写真』()との相同性、それと自分の文集を自分で出版することの僭越さもいくらか意識にあって、このようなかたちに落ち着いた。自分の文集を自分で出版することは、たしかに行為として気恥ずかしい気もする一方、これまでの文章を1冊の自律的な本にまとめることで、「ネットの文」「編集者の文」「無名の書き手の文」といった先入観からすこし離れたところで文章を読んでもらえるのではないかという期待もしている。

号外『建築と日常の文章』
A4判/中綴じ/モノクロ/56頁/定価1200円+税/2018年11月25日刊行
『建築と日常』編集発行者である長島明夫初のテキスト集成。個人雑誌制作の状況、建築・書物・映画・写真……、親愛なる作家たちのこと、当世風物批判、日常の経験の言語化。約10年間、およそ20万字の孤独な思考。

  • 建築と日常 偶然足を踏み入れた小学校で懐かしい思い出に浸るの巻 (2009年)
  • 2011-2012年の都市・建築・言葉 アンケート (2011年)
  • 言っていることとやっていることの一致 長谷川豪講演会「スタディとリアル」レポート (2012年)
  • 《代田の町家》の危機 (2013年)
  • 熟成する空間 (2013年)
  • プロとアマの間 (2013年)
  • 書評:多木浩二著『映像の歴史哲学』 (2013年)
  • 建築を評価することの困難 SDレビュー2014展評 (2014年)
  • 書評:柴崎友香著『パノララ』 (2015年)
  • 映画評:石山友美監督『だれも知らない建築のはなし』 (2015年)
  • 「そうだったのか建築用語」キーワード解説 (2015年)
  • 建築と文化をめぐる短い考察 映画評:ヴィム・ヴェンダース製作総指揮『もしも建物が話せたら』 (2016年)
  • 思い出すことは何か 香山壽夫著『建築のポートレート』編集者あとがき (2017年)
  • 谷口吉郎の教養と常識 書評:谷口吉郎著『雪あかり日記/せせらぎ日記』 (2018年)
  • 『建築と日常』編集者日記 よりぬき2009年8月〜2018年10月

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