あたらしい無職

去年(2017年11月3日)「しのばずくんの本の縁日2017」で唯一買った、丹野未雪『あたらしい無職』(タバブックス、2017年)を読んだ。日記形式。「無職」を冠しているのにずいぶん早く就職したなと思ったら、次の章の扉に「2章 社員はつらいよ 2015年1月〜2016年2月」とあり、いずれまた無職になるのかと思って妙に安心した。年をまたいで僕自身39歳になってから読んだのがよかったかもしれない。

さあ、今月も無職だ。これまでは自分が何歳なのか、ときどきよくわからなくなっていたのだが、この日記を書くようになってからというもの“三十九歳無職”に反応するようになってしまった。ラジオやテレビを流し聞きしていると案外いるのだ、三十九歳無職が。だいたい容疑者とか犯人とかだけども、たまに視聴者参加型クイズなんかに元気に出ている三十九歳無職がいると、「無職でも陽当たりよく生きていいのだ」と励まされたりもする。(pp.31-32)