日本工業大学大学院「建築文化リテラシー」第13回と第14回。最終回の今日は、冬休み中のふたつの宿題を基にした対話。このブログでもその都度触れていたけれど、結局、授業全体で宿題は以下の6つになった。

  • 1)ユゴーノートル=ダム・ド・パリ』第5編2「これがあれを滅ぼすだろう」の感想400字
  • 2)《宮代町立笠原小学校》(設計=象設計集団、1982年竣工)の批評800字&写真1点
  • 3)「時間」をよく表していると思える建築や都市の写真を1点示し、その説明を400字
  • 4)映画『怒りの葡萄』(ジョン・フォード監督、1940年)の「家」や「土地」をテーマとした批評400字
  • 5)《すみだ北斎美術館》(設計=妹島和世、2016年竣工)の批評400字&写真1点
  • 6)「自分が好きな建築」について800字

今年度から始まったこの授業では、具体的な知識の習得というよりも、建築や文化をめぐるリテラシーの向上を目的にしていた。「講義・見学」→「作文(宿題)」→「添削」→「議論」という流れは、これまで桑沢デザイン研究所の「建築・都市概論」でもあったけれど、今回はそれをより少人数で密に繰り返したことになる。比喩として言えば、固い土地に鍬を入れ、耕すようなことをしたという印象。種をまいた感じはないし、耕すのもこの授業でしたことで十分だとは思わない。学生たちが自らを耕すことを覚え、今後自分で種をまくか、あるいは風や鳥が種を運んできてくれるような状態にしておくことを期待したい。
授業の後、この授業の実現に尽力してくださった教授の小川次郎さんに授業終了の報告。上の写真は今日の授業の前に撮影したもので、最寄り駅から大学へ続く道の途中でいつも目にする小次郎の家と小次郎(たぶん)。