『建築と日常』No.2(特集:建築の持ち主)
東日本大震災を経て、あらためて建築の所有を考える。建築は〈私〉のものか、社会のものか、あるいは建築家のものなのか。
今日で刊行4周年。その後テーマを展開させたところもあれば、いろいろ手つかずのままにしている思考のかけらも多い。下は土曜の日記(11月28日)で触れている年表の冒頭2ページ(全12ページ、〜2011年)。別段意識していたわけではないけれど、いま見るとやはりNo.3-4「現在する歴史」特集(→)の歴史観と通じるなと思う。年表とはいえ歴史を直線的に「事件の連鎖」(→)として捉えるのではなく、その時その時の個々の出来事にいくらかの自律性を持たせている。かといって個々の出来事は完全に自律して成り立つわけでもなく、全体の網の目のなかで動的な関係を生み出し意味づけられる。その関係の生成のために12ページくらいの規模が必要だった。この年表が『美術館と建築』(青幻舎、2013)の「美術館建築年表」(→)や、号外『日本の建築批評がどう語られてきたか』(2013)の「建築批評論年表[20世紀日本編]」(→)に繋がっている。
- 「近現代日本の建築と所有」年表について http://d.hatena.ne.jp/richeamateur/20111225
- 「建築の持ち主」特集について http://10plus1.jp/monthly/2012/02/enq-2012.php#1677