西片建築設計事務所の小野弘人さんが、ご自身の講演録を増補したテキスト「ロッセリーニ『無防備都市』──扉の運動」を事務所のホームページにアップされています。『無防備都市』(1945)は開口部の映画であるとして、ユニークな視点から作品の構造が分析されています。

小野さんには『映画空間400選』()で、「壁を挟んだ空間の描き方──同時に行けない場所」というコラムを執筆していただきましたが、それと対になるような内容かもしれません。また、「あるワンショットの中に存在する部屋や人間や扉といった事物(もの)を、全く別のショット内の部屋や人間や扉と繋げること」という指摘は、小野さんたちの設計作品である《4 episodes》(2月11日)にも通じるように思います。