qpさんがまた作った写真集『ゆきこの毛布』が届いた。今回はqpさんの写真だけでなく、みみやさきちがこさんという人の詩が6編載っている。『ゆきこの毛布』という書名はそのうちの1編のタイトル。
判型とページ数はこのまえの『浮雲』(2月9日)と同じだけど、その『浮雲』を「欲しいと言ってくれる方があまりにも少なかったから」という理由で、『ゆきこの毛布』はネット経由で無料頒布がされている(限定200部)。正直なところ、僕自身パブリッシャーの端くれとして無料というのはどうかと思うけど、僕とは本に対する認識が違うところもあるのだろう。qpさんのブログでは、『ゆきこの毛布』を紹介した日以降、その本の存在様態が顕わにされるような出来事が描かれていて(インクが染み込んだ紙がハードカバーにくるまれて永続性をもつ本ではなく、薄っぺらで安物の印刷で創作と読者が地続きで一瞬が転写された本)、こういうのを見ると、やはりこの人は天に与えられた何かを持っているなという気がする。与えられなかったものもあるとは思うけど。

本を手に取ってもらいたいのなら、ホームページで無料にするよりも現実の書店で売る努力をしたほうがいいのに、と他人事ながら思っていたけれど、今度から吉祥寺の百年で販売されることになったらしい。一店舗だけではなかなか厳しいだろうけど、百年ならばよい巡り合わせがあるかもしれない。


『ゆきこの毛布』とは別に、展覧会も予定されているそうです。

色ちゃんコミック展

qp・阪本勇「レンゲ」展