六本木のSCAI PIRAMIDEで、赤瀬川原平写真展「日常に散らばった芸術の微粒子」を観た(〜3/25)。現代美術のアーティスト6名が、故人の未発表写真4万点から各々の視点で約20点ずつ選出するという企画。アマチュア写真家としての赤瀬川さんの作家性や、写真という媒体の性質も浮かび上がらせる良い企画だった。路上観察系の写真で一つの意味(タイトル)に回収されるもの、一義的には捉えがたい不思議さを持ったもの、特に不思議ではないけれども目を惹かれるもの、「芸術の微粒子」と括れるもの、括れないもの…。芸術家としての赤瀬川さんにとって作為/自然という観点は重要だったと思うけど、アマチュア×写真×未発表×複数選者という企画の枠組みが、その意識のありようを浮かび上がらせている気がした。
上の2点は赤瀬川邸《ニラハウス》(設計=藤森照信+大嶋信道、1997年竣工)のテラスと、それ以前に住んでいた建売住宅での写真。どちらも選=中村裕太。