年末に訃報があった磯崎新さんは、昔一度だけ原稿を書いていただいたくらいであまり接点がなく、作品もそれほど観てはいないのだけど、この水戸芸術館の会議場の天井(が生みだす空間)にはハッとさせられた(設計=磯崎新アトリエ+三上建築事務所、1990年竣工)。僕にはあまり馴染みのないポストモダンの豊かさ。写真は広角で全体を捉えようとしているのでいくらか大げさに見えるものの、実際は適度に垂直性が抑えられ、もっと優雅な印象だったと思う。カーテン風のコンクリート壁と合わせ、建築のマニエリスム。