最近注目される川柳作家・暮田真名さんへのインタヴューを収録。聞き手は歌人の小島なおさん。先日のTOASt取材およびMMAAAでの座談と同じ媒体の企画で、こちらも撮影は僕で大丈夫だろうと軽く考えていたところ、まったく勝手が違って冷や汗をかいた(たぶんインタヴュー最中の写真なら、ひたすら多く撮れば特に問題なかったと思うのだけど、時節柄、インタヴューはアクリル板を隔てて行う必要があったので、写真はインタヴュー前に屋外で撮影することになった、というか自分でその判断をした)。
やはりポートレートは相手との関係性や距離感が決定的に重要であり、それを作ることも写真の技術のうちなのだと痛感する(あるいは相手との関係がどうあれ、自分は自分の写真を撮ればいいという確固とした自信)。いま思えば、前2件はいずれも以前から見知った人たちであり、建築という共通の分野にいることも自然と安心感をもたらしていたのだろう。それが今日は初対面の女性ふたりで(お二人同士は知り合い)、自分の普段の仕事内容も知られておらず、より純粋に「撮影者」という役割に投げ出されることになった。場所もむしろ撮りどころが限定されていればよかったのだけど、撮りようによっては魅力的な背景にもなる様々な選択肢を含んだ場所で、さらに日差しが強くて光環境が均質ではないというのも、ずぶの素人を混乱させた。どこにどういてもらって、どう撮ればいいのかわからない。日頃の散歩写真の経験が通用しない。暮田さんも小島さんもプレッシャーを感じさせるような人ではなかったのが救いだけど、これがもし年長で気難しいタイプの人だったらと思うと空恐ろしい。