ネットを見ていると日々至るところで諍いが起こっている。言葉の応酬で勝つ人がいれば負ける人もいるのは仕方のないことだ。しかしもし言い争いで負けない秘訣を誰かに聞かれたら、僕は勝てる喧嘩しかしないと答えたい。負けそうな喧嘩はしない。
古い人間なので、「正義は勝つ」という言葉をわりと信じている。もちろん殴り合いの喧嘩や権力闘争・政治闘争などでは正義も普通に負けるだろう。しかし言葉を用いた議論に限れば、正義はまだそれなりに強い。論理をうっちゃってしまわないだけの知性と倫理観が相手にあれば、慎重に歩を進めていくことで、正義はまず負けないはずだ。ということは裏を返すと、もともと負けそうな喧嘩というのは自分の側に正義がないということになる。だから負けそうな喧嘩はそもそも最初からする意味がない。自分に正義がない争いはしないというのは卑怯でも臆病でもなんでもなく、その態度自体はすこぶる正しい。