明治神宮の建築

明治神宮参集殿で、藤岡洋保先生の講演「明治神宮の建築──日本近代を象徴する空間」を聴いた。ここ数年の研究の成果をまとめた同名の著書(鹿島出版会)の刊行に際してのもの。90分間の講演のあと、深尾精一氏との対話。
講演の終盤、明治神宮の建築は各時代に各設計者の好みのかたち(といっても一般の目には微差)で建てられている、好みというと恣意的に思えるが、まず設計者自身が心底好きで納得できるデザインでなければ他人を納得させる良い建築はできない、というような指摘が印象深かった。そういう個人的な信念が、今現在「日本らしさ」を標榜して建てられる建築、あるいは内苑・外苑で建てられつつある建築に果たしてあるでしょうか?と問いかけられているようにも聞こえた(実際にそういう意図があったかどうかは定かでない)。以下、境内の写真2点。