新刊の情報ページにて、いくつかの記事の冒頭部分をPDFで公開しました。

以下、その誌面の画像と簡単な紹介文です。

【見本1】「日本中に平凡な建築をいっぱい建てたよ」が最期の言葉として伝えられる吉田鐵郎(1894-1956)について、その晩年に親交があった内田祥哉さんにお話を伺いました。「鐵郎」は新字体で「鉄郎」と表記されることも多いですが(お墓の墓碑も新字体でした)、今回は旧字体を採用しています。

【見本2】坂本一成さんの最新作《佐賀県歯科医師会館》の写真を用いて、建築と写真の関係を考えました。本誌編集発行者によるいわゆる素人写真ですが(というか見本1〜4すべてそうですが)、プロとアマの写真が混在する昨今のメディアの状況下で、建築写真を考える叩き台にでもなればと思います。

【見本3】堀部安嗣さん設計の量産住宅〈fca〉を取材し、堀部さんにインタヴューしました。開口一番、「平凡や非凡、作家性や非作家性といった区別には興味がない」と言われてしまいましたが、おそらく他での堀部さんの言葉とは多少印象が異なる、この特集にとってもクリティカルなお話が聴けました。

【見本4】陶芸家の河井寬次郎(1890-1966)が自ら設計した京都の自宅(現・河井寬次郎記念館)をめぐり、坂本一成さんと対話しました。伝統的な町家に見えながら、モダニズム的でありポストモダニズム的でもあるその魅力。日常のありふれたものに目を向ける河井と坂本さんとの共通性も興味深いです。