桑沢デザイン研究所「建築・都市概論」の今年度の第2課題。

[A]建築家・大江宏による文章「様式と装飾」(『建築文化』1974年11月号/所収:大江宏『建築作法──混在併存の思想から』思潮社、1989年)を熟読し、その内容を200字程度(誤差10字以内)で要約すること。

  • 文章の趣旨を把握し、重要な点をもらさず、バランスよくまとめること
  • 「著者の見解」「自分の見解」「第三者の見解」「一般に共有されている見解」などを混同せず、自分の主観を排して、客観的に執筆すること
  • 文章で書かれている以外の余計なことには触れないこと

[B]上記の[A]を踏まえた上で、「装飾」が重要な意味をもつと思われる建築を各自一つ選び、その建築における「装飾」の在り方を、400字程度(誤差10字以内)で論じること。また、その建築の写真(自分で撮影したもの、長辺1200〜1600ピクセル程度のJPEG)を1点提出すること。

  • 対象とする建築の選定は自由だが、授業で訪れたものは不可
  • 文章のタイトルは不要。ただし、対象とした建築の名称/設計者名/竣工年などを、文章と別に明記すること(その部分は字数に含めない)
  • 対象とする建築に関する資料をなるべく多く確認した上で執筆し、その資料の名称も、文章と別に明記すること(その部分も字数に含めない)

ここ数年続けていた課題()を変更し、規定の文字量も合計600字まで減らした。本1冊を読んで書くというこれまでの読書感想文的な形式だと、どうしてもあらすじの要素を含んだり、ネット上にあるような紋切り型の見解が混じってきたり、作文の輪郭がぼやけてしまう印象があった。ある特定の本(絶対的な名著というより、様々な条件において妥当と思われるような本)をこちらで指定して読ませる(場合によっては各自で買う必要もあったかもしれない)というのも、なんとなく乱暴な感じがしていた。今年度の課題は、作文の文字量こそ減るものの、これまでと同じく添削&講評までセットにして行なうことで、より効率的で精度が高い学習になるのではないかと思う。