前にも書いたとおり(9月23日)、NHKBSプレミアムで放送していた「男はつらいよ」シリーズをしばらく観続けていた。山田洋次男はつらいよ』(1969)、『男はつらいよ 奮闘篇』(1971)、『男はつらいよ 柴又慕情』(1972)、『男はつらいよ 寅次郎相合い傘』(1975)、『男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け』(1976)、『男はつらいよ 噂の寅次郎』(1978)、『男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花』(1980)、『男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎』(1981)、『男はつらいよ次郎物語』(1987)、『男はつらいよ ぼくの伯父さん』(1989)。
たぶんほとんどの作品は昔に観たことがあったと思う。しかしどこかしら寅次郎に自分を重ねるような見方をしているのは昔と違う気がする。最後の2作はシリーズとしての時間の経過が目に見えてきてつらい感じもしたけれど、僕がもうすこし歳を取ってあらためて観てみれば、そういった映画の有り様にもなんらかの感慨を見いだすことがあるかもしれない。やはり世の中にこういう映画があってよかったと思う。日本の宝という感じがする(例えば小津安二郎の映画は「日本の宝」という感じはしないという意味で)。