先週の関西出張1日目。河井寛次郎記念館から自転車でほど近い高台寺。創建以来のたび重なる火災により、多くの建物が焼失してしまっているという。写真の傘亭と時雨亭は山の中腹に並んで建つ小さな茶屋で、土間の廊下で繋がれている。配布された寺の案内には「利休の意匠による茶席であり伏見から移建したものである」と書いてあるものの、専門的には作者も来歴もはっきりとしないらしい。別々に建てられたものが、ある時期に今の場所に移築されて繋がれたという説が有力のようだ。確かにいきなりこの場所にこのふたつを計画はしないだろうなという感じもする。まあよく分からない。ただ分からないなりに、他のもっと規模が大きい建物よりは、文化を共有していなくても身体的・工作的に捉えやすいとは言えるかもしれない。内部には入れないから、やっぱりよくは分からないのだけど。
傘亭と時雨亭はどちらも開口部に特徴がある開放的な建築。傘亭の西側の出入口は上下2枚の戸に分かれていて、床より低い下部の戸は引き込み戸、それより上は内開きの突き上げ戸で、上げた戸は梁から釣るようになっている(写真1枚目左および2枚目)。