熊本出張初日。東京よりも寒い。空いた時間に、坂本一成長谷川逸子・松永安光の共同設計《熊本市営託麻団地》(1992/93/94年竣工)を訪れた。市の中心街からバスを使って30分ほど。外壁の劣化がかなり目につくのが惜しい。塗り替えができれば場所の印象はずいぶん変わると思う。設計者たちが主眼に置いた空間構成の魅力は今も健在で、高低差を含む敷地のなか、全体としてのゆるやかな秩序とともに、部分同士の視覚的・動線的な細かい関係がつくられている。このあり方は雑誌発表時の1/2000の配置図や1/1000の平面図を見ているだけでは感じづらいし、写真でも十分には捉えられていなかったと思う。以下写真8点(すべて坂本一成棟)。