昨日の日記に書いた吉田修一さんへの取材のなかで、吉田さんが、沖田修一監督『横道世之介』(2012)という映画を教えてくださった。吉田さんは法政大学のご出身なので、6月に『建築と日常』のイベント()で使わせてもらった法政大学55/58年館(設計=大江宏/解体予定)のことを話題にしたところ(記事では割愛)、吉田さんの小説が原作の『横道世之介』で、55/58年館が撮影に使われたのだという。下記リンク先は撮影時の大学の広報。

その後DVDで観てみたところ、映画としても良い作品だった。このまえ(12月6日)観た『桐島、部活やめるってよ』の大学生バージョンというか、なおかつあざとくない感じ。素直に感じ入るものがある。同じ吉田さんの原作で、李相日監督『悪人』(2010)という映画も合わせて観てみたのだけど、『悪人』のほうは『るろうに剣心』と同じく、どうも長編小説がうまく映画に変換されていないのではないかと思わせるところがあったものの、『横道世之介』はそういうことも感じさせなかった(『悪人』も『横道世之介』も原作は未読)。『横道世之介』のような大衆的な映画が面白いと、それだけで妙にうれしくなる。