たまたま訪れた某所で、下記の本を購入した。一般販売はされておらず、僕自身も存在すら知らなかった。インターネットでもほとんど情報がないようなので、すこし詳しく書いておく。
事務所のスタッフ(フィラデルフィア・カレッジ・オブ・アートとフィリップ・エクセター・アカデミー図書館を担当)として接したカーンについての記述は、例えばペンシルベニア大学で教師と生徒の関係だった香山先生が描くカーンとはすこし印象が違っている。著者が過去にカーンについて書いた文章も3本収録。
カーンがやがて部屋に戻った時、当時世界中に広がっていた学生運動の話になって彼は私に聞いた。「私は、学生達の言ってることに、同感する所があるが、君はどう思うか?」。私は「私もそう思う。しかし、彼等は、理解するだけでは満足できない。必ず一緒に行動しようと言う」と答えると、彼は「それは私にはできない」と言って、「お前は大事なポイントをいつも一口で言うね」と言って抱きしめてくれた。(p.152)