リフォームが完了した《代田の町家》(1976)を見学する機会があった。坂本先生ご本人による改修設計。耐震と断熱の改修、水回りなどの設備の交換、簡単な造り付けの家具の追加、それとガラスが割れてふさがれていたトップライトの修復などが機能的に求められた主なところだろうか。それに加えて外壁・内壁が塗り直され、竣工時の状態に近づくように建築の印象が更新された(床の大理石は、割れていた個所を数枚交換した以外はそのまま)。
もちろん新しい住人の方たちの意向もあっただろうし、間に住宅遺産トラストが入っていたことも関係しているのかどうか、詳しいことは知らないけれど、おそらく設計者にとってほとんど理想的な改修だったのではないかと思う。後日、改修の経緯も含めて雑誌で発表されるとのこと。