桐敷真次郎さんの『近代建築史』(共立出版、2001)では、各建築の写真に付けたキャプションで何事かを言わんとしている…

ドイツ国会議事堂(ベルリン、1882-94、1945戦災破壊、1970-99修復、ヴァロット)/間口130m、奥行88m、高さ68m、砂岩造、大ホールのガラス・ドームの上に王冠を飾った金色のガラス張り角ドーム、四隅に高さ60mの角塔を立て、威容を誇った。中央ドーム部分をノーマン・フォスターが半楕球形のガラス・ドームに改造してしまった。(p.57)

マルセーユのアパート(1947-52、ル・コルビュジエ)/戦後、仕事がなくて困っていたル・コルビュジエにマルセーユの左翼市長が実現の機会を与えてくれた。18階建、高さ56m、長さ165mで、23タイプ、337戸の住居のほか、商店街、公民館、宿泊所、幼稚園、運動場など、26種の公共施設と1600人を収容する巨船型の「住居単位」。近隣住区に対応するこうした住居単位をいくつも並べて町を構成しようという計画だったが、幸い一棟だけで終わった。(p.197)