写真のトリミングが難しい。本当はなにもいじらず、そのままで成り立つのに越したことはないのだろうけど、自分で撮った写真をモニターで見ていて、ちょっとトリミングすればもう少しよくなるのではないかと、つい素人くさい欲が出てきてしまう。しかしいざ試してみると、意外とうまくいかない。よくわからないけど、どこか変な感じがする。
そのときの違和感は、もしかしたら元の写真の記憶との差から来るもので、元の写真を知らない人が見れば感じられないことのような気もする。しかしその考えはやや楽観的すぎる気もする。おそらくは、その写真にもともとあった画面のゆがみや構図のバランスが、トリミングによっておかしなことになっているのだろう。建築写真では、裁ち落としも含めてトリミングは一般的に行われるけれど、それが可能なのは、そもそも水平垂直が整っているので、どこを切り取ってもゆがみが影響しないというのと、見せるべき対象物がはっきりとあって、写真全体の構図が比較的問題にされにくい、最初からトリミングを前提に広めに撮られているという理由が考えられるかもしれない。
しかし一方で、トリミングをするのに少しコツを掴んだような気もする。以前は1辺ずつ不要と思われる部分を切り落として、全体のプロポーションを調整していっていたのだけど、そうではなく、まずはじめに最終的なフレーム(プロポーション+サイズ)を決めてしまって、それを元の画像の上に載せて、トリミングに適当な位置を見いだし、そして4辺を同時に切り抜くようにすると割とうまくいく場合が多い。言ってみればこれはその写真を最初に撮ったとき、現実をフレーミングしたときに近い決め方で、だから違和感が生まれにくいのかもしれない。
最近の例を挙げると、正月に地元の海岸を散歩して撮った下の写真(1月1日)はそのようなやり方でトリミングをして、ともかくトリミング自体はうまくいった気がする。

トリミング後

トリミング前