なにはともあれ『映画空間400選』を編集できたことはとてもよかった。一昨日の日記で書いたとおり、400本のセレクトや年表など映画の専門的なところはみんな結城さんがやっていたけれど、原稿の校正やデータの整理、図版を集めたりという作業を通してでも、ギリギリこの年齢のうちに建築以外の出版の分野に触れられたのは大きい気がする。そしておそらくひとりでは編集できなかったというのは結城さんにとっても同じことで、そういう不完全なふたりが集まったからこそ、ある種の緊張感のなかで、変に特定のサークルに閉じることのない人たちに協力してもらうことも可能になったのだと思う。このことは今回のような分業の場合だけでなく、これからも自覚していかないといけない。
あとは単純に、映画について、そして映画を記述することについて、いろいろ勉強になった。表現形式(表現媒体)の境界や越境ということには以前から興味があったけど、それを考えるための視点も少なからず得られたように思う。