東大の難波研で行われている読書会に参加させてもらった。読書会自体ずいぶん久しぶりだ。取り上げられたのは柄谷行人の『隠喩としての建築』(岩波書店、2004)で、学生2人による分析のあと、難波さんがコメントするというスタイル。あまり議論にはならなかった。

定本 柄谷行人集〈2〉隠喩としての建築

定本 柄谷行人集〈2〉隠喩としての建築

参加させていただいたお礼として、難波さんに残り少ない『建築と日常』No.0を差し上げたところ、早速インターネット上での日記に、香山先生と坂本先生のインタヴュー記事の感想を書いてくださった。ただ、おそらくそこで書かれていることは、お二人に対する難波さんの以前からの認識であって、その記述から察せられる限り、難波さんは記事を読む体験のなかで微動だにしていない。香山先生と坂本先生のインタヴューで、どうすれば難波さんの感覚を動かせるか考えても、なかなかいい手口は浮かんでこないのだけど、編集者としてはあくまでそこも目標にすべきなのかもしれない。