東京都美術館「レオポルド美術館 エゴン・シーレ展 ウィーンが生んだ若き天才」を観た(〜4/9)。下の写真は帰りがけに上野駅で撮ったもので、1930年代末にフランスでマティスに学んだ猪熊弦一郎による壁画《自由》(1951年)。東京都美術館は次回マティス展(4/27〜8/20)。

1951年は同じ上野の東京国立博物館でマティス展が開かれていて、《自由》を制作する猪熊の頭にはきっとその意識もあっただろう。この展覧会については谷口吉郎が「ヴァンス礼拝堂の模型」という文章を書いており(『アトリエ』294号、1951年)、あるいは二人で感想を語り合ったりもしたかもしれない。猪熊と谷口には親交があり、《自由》の2年前、谷口設計の慶應義塾大学学生ホール(1949年)では、《自由》とよく似た壁画《デモクラシー》を制作している。