《から傘の家》(設計=篠原一男、1961年竣工)を見学。写真撮影は内外とも禁止(下村純一撮影で『藤森照信の原・現代住宅再見』(TOTO出版、2002年)に載っている写真と、今もとくに雰囲気は変わらない)。よい建築には違いないが、言葉で捉えようとすると難しい。よく言われるように幾何学性が強いと言えば強いけれども、それほどでもないと言えばそうも言えそうな気がするし、伝統性が強いと言えば強いけれども、それほどでもないと言えばそうも言えそうな気がするし、閉鎖性が強いと言えば強いけれども、それほどでもないと言えばそうも言えそうな気がする(たとえば上記の本で藤森さんは、日本近代建築史の文脈でこの住宅の「内向性」を特筆しているけれど、実際に現代の一般的な住宅と比べて内向的あるいは窮屈で息苦しいという印象はない)。なにを基準にするかで相対的な意味合いが変わってくる。ということはつまり、それらの高度な次元でのバランスに秀でているということだろうか。