八王子市夢美術館で「坂本一成 住宅めぐり」展を観た(〜6月30日)。坂本先生による第1回のギャラリートークがあり、会場は盛況。予定の1時間を大幅に超えて、初期の作品から最新プロジェクトまで、場内を歩きまわりながらのお話だった。特に先生のレクチャーを聴いたことがない人には、残りの2回のギャラリートークもおすすめしたい(6月15日/22日)。トークの前後30分くらいは混雑していたものの、それ以外の時間は比較的落ち着いて観られた。
展示自体は基本的にこれまでの一連の展覧会のバージョンアップで、坂本先生の作品が並列的・網羅的に紹介されている。僕が観た2008年の「日常の詩学」展(東京工業大学百年記念館)からは、それ以降の作品の模型や写真が数点増えていた。いちばんの見所は、最新の小住宅の計画案《Project AO》の1/3スケールの模型。1/3というスケールにどこまで積極的な意味が見いだせるかは分からないけれど、大きいぶん、建物の構成は明快に把握できる。
受付では展覧会のカタログや坂本先生の著作に混じって、『多木浩二と建築』も販売してもらっている。今日はギャラリートーク中、坂本先生が紹介してくださったこともあって、売れ行きがよかったらしい。

写真は6日にイベントを開催した《代田の町家》(1976)の模型。会場内は写真撮影が許可されている。ただ、インターネットなどでの公開は禁止ということなので、ここでは2008年の「日常の詩学」展のときの写真を載せてみた。