『東京人』2013年3月号

そういえば発売中の『東京人』3月号に短いエッセイを寄稿していました。巻頭の「東京点画」という枠ですが、あろうことか東京には触れず、神奈川の実家に帰省したときのことに終始しています。機会がありましたらぜひご一読ください。

届いた掲載誌を見てあらためて思ったけど、やはり僕はものごとを抽象的に見る傾向があるのだろう。場所や建物などの具体性や固有名が重視される『東京人』という媒体のなかで、余計にそれを実感する。神奈川のことを書いたといっても本文に実際の地名を出しているわけではないし、出すという選択肢もなかった。たとえば柴崎さんの小説に表参道や三軒茶屋が出てきたり、このまえの『週末カミング』(角川書店)でも僕の実家のほうのことが書かれたりしていて、それはそれで大阪を舞台にした話よりも自分の経験と結びついた実感は持てるのだけど。