ここ最近、家で観た映画。ヴィットリオ・デ・シーカ『ウンベルトD』(1951)、イングマール・ベルイマン『夏の夜は三たび微笑む』(1955)、川島雄三『しとやかな獣』(1962)、ハワード・ホークス男性の好きなスポーツ』(1964)、田中重雄『女の賭場』(1966)、ヴィクトル・エリセミツバチのささやき』(1973)、ジョージ・ミラー『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015)。
『ウンベルトD』は『映画空間400選』(INAX出版、2011年)の選出作品だけど、僕自身はこれまで観たことがなかった。ローマという歴史ある街で、住まいを追われて彷徨うような話。パリを舞台としたロメールの『獅子座』(1959)を思い起こさせる。どちらの映画も、それぞれの都市で暮らしてきた主人公が、ある時点を境にして、なじみ深い都市から排除されてしまう。それも他の人は変わらない日常を生きているなかで自分一人だけという点が非常に切実に感じられるし、都市というものの性質を示しているようでもあって興味深い。『男性の好きなスポーツ』はホークスの晩年、『ハタリ!』(1962)の次の作品。他愛ないアメリカのコメディだけど妙に面白かった。