この前(11月17日フィッシュマンズの最後期に忌野清志郎からの影響が見られるのではないかということをさも新しい発見のように書いたけど、思い起こせばもうずいぶん前から、同じくフィッシュマンズ後期の「SEASON」には「甲州街道はもう秋なのさ」との類似が見いだせることに気づいていたのだった(2013年12月16日)。記憶と忘却の繰り返しによって認識はより強靱になっていくと言っておこう。しかしいずれにせよ僕がフィッシュマンズの曲に忌野清志郎の面影を見るのは、「IN THE FLIGHT」にしても「SEASON」(「LONG SEASON」)にしても、初出のスタジオ録音版というより、『98.12.28 男達の別れ』(1999)に収録された最後のライブのバージョンにおいてであること、なおかつそこで連想させる「ヒッピーに捧ぐ」「うわの空」「甲州街道はもう秋なのさ」といった清志郎の曲が、みな『シングル・マン』(1976)というアルバムに収められたものであることには、なんらかの意味を見ていいような気がする。