建築家が撮った『世界の有名住宅写真』

横浜ランドマークタワー31階のASJ YOKOHAMA CELLで、トークショー:小川重雄×吉田研介×後藤武「住宅を読む、建築を読む 〜建築家たちがみたもの〜」を聴いた。同じ会場で開催中の「建築家が撮った『世界の有名住宅写真』展」(〜2/7)の一環。建築家が撮影した建築写真というテーマは、まさに刊行間近の『建築のポートレート』と重なる。ゲストであるプロの建築写真家の小川さんが出展作品を褒めるのに対し、ホストである建築家の吉田さんがそれに不満を漏らすという構図が面白い。
鈴木恂さんや齋藤裕さんなど、以前から写真を高度に専門的に撮る建築家はいたけれど、ここ最近、堀部安嗣さんの『堀部安嗣 建築を気持ちで考える』(TOTO出版、2017年)や鈴木了二さんの『ユートピアへのシークエンス──近代建築が予感する11の世界モデル』(LIXIL出版、2017年)でも、自ら撮影した建築の写真が(消極的にではなく積極的に)掲載されているようだし、様々な要因によって世の中で建築写真の形式性が相対化されていくなか、何かそういった流れがあるのだろうか。