最近の古谷さんの偽日記で、『20世紀末・日本の美術──それぞれの作家の視点から』(中村ケンゴ編、アートダイバー)という本をめぐって書かれた文も興味深い。

そこで言及されている「二つのコンテンポラリー」──(1)歴史の先端としての現在において様々な過去を歴史として配置する、(2)過去のある時代の(その時代にとっての)現在を、今、ここに別のウインドウを開くように生に出現させようとする──は、まさに『建築と日常』の「現在する歴史」特集の問題でもあった(だから古谷さんはなんとなく「現在する歴史」特集のことも意識しながらこの日記を書いているのではないかと勘ぐってしまう)。
古谷さんは「歴史を記述することに対する抵抗と嫌悪のようなものがぼくにはある」と書き、そのときの「歴史」のあり方を(1)に見ている。それは例えば以下、坂本先生へのインタヴューでの僕の発言と、たぶんほとんどそのまま重なるのではないかと思う。

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