白夜

ユーロスペースで、ロベール・ブレッソン『白夜』(1971)を観た(〜12/14)。ドストエフスキーの原作とかで、僕がこれまでに観たことがある『抵抗』(1956)、『スリ』(1960)、『ラルジャン』(1983)のような、いわゆる暗い話ではない。しかし画面を見て一瞬で感じられる、文章でいう文体のようなものはまさしくブレッソンで、僕はブレッソンの映画を大きなスクリーンで観るのは初めてだったから、あーこういうものなのかということを思った。物語と文体との関係を考えると、この文体はやはり「暗い話」のほうと相性がいいように思えるのだけど、ブレッソンファンではない僕にとっては、『白夜』のように物語と文体とがずれているようなもののほうが、作品への取っかかりを得やすい気がする。いや、これを観ただけでは判断できないだろうけど、少なくともこの作品は面白かった。
来月は映画の日の割引がなさそうなので、8日から上映されるイングマール・ベルイマン秋のソナタ』(1978)の前売り券を買った。ブレッソンの作品としては、同じ建物内のオーディトリウム渋谷で、10日と12日に『バルタザールどこへ行く』(1964)が上映予定。