ヒューム『人性論』(土岐邦夫・小西嘉四郎訳、中公クラシックス、2010年、原著1739年)を購入。これは抄訳だけど、先日の三浦雅士さんの講演でたびたび言及された本。若き日の三浦さんが当時読んでいたヴィトゲンシュタインの話をしたところ、吉田健一は「おや、哲学はヒュームで終わったんではないですか?」と言ったという。

哲学でもほかの諸学問でも、まったく新しいなにかを発見したつもりでいる人々にとって、それまでに提出されてきたすべての体系をけなすことで自分自身の体系を遠回しにほめそやすということほどありふれた、自然なことはない。(p.6)

序論の最初の一文。すでにどことなく吉田健一的だ。