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乗泉寺八王子別院(設計=谷口吉郎、1971年竣工)を訪問。1月に渋谷の乗泉寺(設計=谷口吉郎、1965年竣工)で模型を観たもので(1月14日)、4月に青梅市吉川英治記念館(設計=谷口吉郎、1976年竣工)に行ったときには時間がなくて寄れなかった(4月10日)。内と外の明暗の差が大きいため、写真に写すのが難しい。実際は室内もずっと明るい。
建物のかたちは谷口らしい穏やかな切妻の平屋だけど、仏教寺院の構成としてはずいぶんラディカルだと思う。堂内に本尊がなく、ガラス張りの妻面の先にある宝塔を礼拝の対象としている。機能を抽象し分節した近代的で明朗な空間。ここはあくまで霊園を主とした別院なので、本尊を外部化させることで、礼拝に限らない建物のいくらかカジュアルな使い勝手も考慮しているのかもしれない。
お堂を見下ろす位置にある円形の墓地も、日本の墓地らしくなく明朗で清新だった(当時の空撮では正円だけど、いまGoogleマップで見ると楕円)。空が近く感じられる。宝塔のかたちも含めた計画全体の強い幾何学性は、周囲の自然と調和・拮抗させるためのものだろうか。以下、写真2点。
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