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写真集『建築のことばを探す 多木浩二の建築写真』(編=飯沼珠実、寄稿=今福龍太、建築の建築、2020年)の書評を寄稿した『住宅建築』12月号が発売になった。

本文3200字+註2000字ほどで、タイトルは「若気のいたりで撮られた写真」。2年前の『雪あかり日記/せせらぎ日記』(谷口吉郎、中公文庫)の書評()が同じ誌面で約3500字だったので、そのおよそ1.5倍の文字数になる(依頼は前回と同じく3000〜3500字)。他の資料からの引用が必要な個所や、書評の筋と離れたところで断片的に指摘しておくべきことが多く、分量が膨れ上がってしまった(註にできる部分は註に回し、その註の文字を特に小さくするなどして無理に誌面に詰め込んでもらっている)。それでも多木浩二の写真そのものについて深くは論じられなかったという思いが残るけれど(そもそも写真集の書評なのに写真図版がない)、とりあえずこの写真集を読むための基本的な視点は提示できたのではないかと思う。担当の編集者は、この書評を読む前と後では写真集の受け取り方がだいぶ変わるのではないかと言ってくれた。