個人的に面倒なしがらみもなくなったし、ネット上で政治関連の発言もしていきたい気はあるのだけど、底が抜けてしまったかのように日々あまりにもひどいことが同時多発で起こるので、自分がなにをどう言葉にすれば意味を持ちうるのか、途方に暮れてしまう。
5年前に『建築と日常』No.3-4の巻頭言で下記のように書いたときには、まだ自分なりの書く手応えが感じられていた。そのときはまさかさらにここまで下があるとは思ってもみなかった。今では当たり前のこと過ぎて、批判としてのリアリティはほとんど消えてしまった。

政治家こそ「今、ここ」を超えた世界を見通す目を持たなければならないにもかかわらず、歴史的に存在する他者、他者の議論、他者の経験、他者の生活などをことごとく無視し、自分もしくは自分たちがいる「今、ここ」の欲望に囚われている。言葉は唖然とするほど空疎になっている。