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金沢旅行1日目。《鈴木大拙館》(設計=谷口吉生、2011年竣工)。これはむしろ街との断絶、建築の自律性や超越性が、プログラムとして積極的な意味をもつ建築だろう。谷口吉生の作家性が存分に活かされていると思う。鈴木大拙のことを多少でも知っておいたほうがよいと思って(柳宗悦関連でも気になっていた)、『日本的霊性』(岩波文庫、1972年)を買っていたのだけど、読むのが間に合わなかった。ただ、この建築のあり方を鈴木大拙の思想のあり方と厳密に結びつけようとしたり、この建築の(いかにも意味ありげな)意匠の謎解きをしようとしたりする必要はあまりないのではないかと思う。もし近所に住んでいたら、たまに気が向いたときに訪れて、ぼんやりと時間を過ごしたいような建築。