神奈川県立近代美術館で「柚木沙弥郎の「鳥獣戯画」」展と「みえるもののむこう」展を観た(〜9/8)。柚木沙弥郎は民藝系の染色家で、今回の出展作のように絵を描いたり、絵本や立体作品を作ったり、いろんな創作があるようだけど、この展覧会を観た限り、やはり染色の作品に最も観るべきものがあるように感じられた。
下の写真2点は美術館の周辺と近所で撮ったもの。どちらも構図が意味ありげな写真。
f:id:richeamateur:20190907152555j:plain
f:id:richeamateur:20190907160514j:plain
上のほうの写真は中央の小さな人影に注目してカメラを構えていたのだけど、なんとなく水平線も画面に入れたほうがいいような気がして、すこしズームアウトしたかレンズを上に向けたかして、構図を調整した覚えがある。
下のほうは平面的な複層性や屋台のグラフィックの形式がヴェンチューリの《メルパルク日光霧降》(2018年9月30日)のコンセプトを思い起こさせる。人によっては中央付近の子供の変顔っぽい表情がこの写真の表現の核になっているように見えるかもしれないが、僕にとってはその表情は構図のなかで強すぎて、もっと普通に見えたほうがありがたかった(そもそもファインダーを覗いているときには子供の表情なんてまったく見えていなかった)。かといって構図だけで写真を見せる自信もないので、きちんと奥に有名建築家の設計作品を載せて逃げ道にしているあたりが自分らしい。