『建築と日常』No.5を発行して今日でちょうど1年。全体を読み返してみた。まだ古びてはいないと思う。

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SNS全盛、とにかく目立ったもの勝ちというこの世の中で、平凡であることの意味を見いだす。建築における個性とは? オリジナリティとは? 吉田鐵郎、柳宗悦、河井寬次郎、坂本一成、堀部安嗣ほか、昭和戦前から最新建築まで。

巻末の編集後記で、「例によって次号の見通しはまだないが、今はなにか新鮮なことをしてみたい気分だ」と書いている。この時はまったく予定していなかったけれど、その後実際に、自分にとって新鮮なタイプの仕事をすることになった。しかしこの特集号を読み返してみたりすると、この先、モノとして、自分がこれだけ充実した仕事をすることがあるだろうかとも思う。自分のキャラクターとして自認し、『建築と日常』にとってもしばらくキーワードになり続けている「保守性」は、未来への見通しのなさ、計画的思考のなさと表裏一体であることを実感する。