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別冊『多木浩二と建築』()を発行して今日でちょうど6年。来月、『生きられた家──経験と象徴』(青土社、1984年)の「新訂版」が、旧版の版元である青土社から出版されるらしい()。『生きられた家』がまた新刊書店に並ぶのは喜ばしいけれど、生前、著者が正式に内容を確認して出版されただろう文庫版(岩波現代文庫、2001年、品切れ)の後に、あらためて単行本を出す、それも「新装」ではなく「新訂」というのはどういうことだろうか。著者亡き今、いったい誰がどういう理由で「新訂」を必要とし、どういう責任をもってその具体的な作業を行えるのか。多木さん自身が特にこだわっていた本だけに気にかかる。