ひさしぶりの出張(日帰り)で、愛知県常滑市INAXライブミュージアム)と岐阜県の多治見市モザイクタイルミュージアム)をハシゴした。県を跨いではいるものの、それぞれの最寄り駅同士は名古屋を挟んで電車で80分程度の距離。どちらもタイルを扱うミュージアムとして、ちょうど2館をめぐるスタンプラリーも行われていた。以下、写真各2点。


INAXライブミュージアム。敷地にはいくつかの建物があり、保全工事のため休館中だった「窯のある広場・資料館」の瓦屋根と煙突(大正時代)が「世界のタイル博物館」のガラスに映り込んでいる。『建築と日常』No.1()に掲載した《Blockhouse Sunagawa》(2010年2月2日)など、岡﨑乾二郎さんのタイルの仕事も、ここの「ものづくり工房」で制作が行われている。


多治見市モザイクタイルミュージアム(設計=藤森照信+エイ・ケイ+エース設計共同体、2016年竣工)。INAXミュージアムが世界各地の歴史的なタイルを多く扱っていたのに対し、こちらはより生活に身近な日本近代のタイルが中心。藤森さんの建築を目当てに訪れる人も多いらしい。四方に開いた街中の敷地で、今どきこれだけ正面性が支配的な建築もめずらしい。しかし以前(2014年8月9日)訪れた《トタンの家》(丘の上APT、設計=藤森照信+大嶋信道、2014年竣工)もそうだったけど、藤森さんの建築はかたち自体はへんてこでも、それが街の中に建つ建ち方には意外なほど不調和を感じない。魅力がある。そのへんの環境に対する感覚は、路上観察学会や建築探偵の活動と地続きということだろうか。