ロバート・ヴェンチューリ(1925-2018)の訃報があった。ちょうど昨日、ひさしぶりに香山先生にお目にかかり、カーンやミースなどについて数人でお酒を飲みながら色々と雑談をするなかで、「そういえばヴェンチューリはお元気でしょうか?」と伺ってみようかと思い浮かびつつ結局タイミングを逸して聞かずじまいになったのだった(香山先生は1960年代半ばにペンシルベニア大学ヴェンチューリに師事し、後に『Complexity and Contradiction in Architecture』として本にまとめられる講義を受講している。僕も15年ほど前に一度ヴェンチューリの事務所を訪ねたことがある)。
ヴェンチューリは香山先生だけでなく坂本先生関連も含めて、『建築と日常』でもっとも多く名前が挙がっている外国の建築家だと思う。このまえのNo.5()では、福田晴虔さんのテキスト「平凡な建築について」でアルド・ロッシと対比的に言及されているし、坂本先生へのインタヴュー「河井邸の尽きせぬ魅力」でも僕が名前を出していた。下の抜粋は2009年のNo.0での香山先生との対話から。これはおそらく東工大系のヴェンチューリ理解とはニュアンスがいくらか異なっていると思うけど、この辺の基本的なところの認識がないと、ヴェンチューリの理論は無味乾燥な形式論として受容されてしまいかねない気がする。追悼。