南麻布のTakuro Someya Contemporary Artで、岡﨑乾二郎展を観た(〜12/11)。このギャラリーは去年(2015年5月9日)の3人展で訪れて以来。作品の画像を載せるのはどうかとも思ったけど、それでもし興味を持ってギャラリーに足を運ぶ人がいればまあいいかという判断をした。僕が言葉で説明しようとするよりは写真のほうがまだしも伝わるものがあるだろうし、ツイッターですこし検索をして、一般のお客さんらしき人がアップしている写真を見て、これはたとえ僕が撮った写真であってもイメージを更新しておいたほうがいいのではないかという気もした。
岡﨑さんの作品には部分と全体の関係というか、現象性と構造性(物質性と観念性)の響き合いのようなものが特徴的にあると思うのだけど、上の写真では全体を写していないので、全体の構造性は感じにくい。今回のような大きい作品の全体を写そうとすると、部分あるいは実物が持つ迫力が消えて、全体構成の説明のようなことになってしまいそうだし、反対に魅力的には違いないディテール(マチエール)に寄りすぎると、部分と全体や部分同士の響き合いが薄れてしまう。だから上の写真くらいの撮影範囲/掲載サイズ(1200×800ピクセル)のバランスがとりあえずはちょうどいいのではないかと思った(スマホ等での表示は想定外)。作品に対してすこし斜めの位置から撮っているので、絵の具の凹凸が実感しやすくもある。とはいえ別にそういうことを意図して撮影したわけではなく、何点か撮ったなかから選んだ写真にそういうことが言えそうだということ。周辺部分がボケ気味なのもコントロールしているわけではなく、それによって臨場感や視線の主体性(作品の有り様を客観的に十全に表す写真ではないという伴示的意味)が生まれているとは思うけれど、そのほうがいいかどうかは確信がない。ちなみに岡﨑さんのホームページ()では作品全体の正対写真を掲載しつつ、カーソルを合わせた部分が拡大できるようにもなっている。