テレビで放映していた、小津安二郎『浮草』(1959)、吉村公三郎『婚期』(1961)を観た。どちらも京マチ子若尾文子が出ている(役柄はかなり違う)。『婚期』も悪くはなかったけど、学生のとき以来に観た『浮草』がとてもよかった。小津の作品のなかではメロドラマ性が強くて、昔は特によい印象は持っていなかったと思うのだけど、こちらの感じ方がだいぶ変わってきた。小津の作品は一度大々的に観直さなければいけないと思う。ちょうど今度の特集に関連して、歴史や伝統と日常との関係を考えるのにも興味深い。先日の富永さんへのインタヴューでも小津の映画が話題になった。